
道でふと話しかけてきたのは、長髪をなびかせた素敵なイケメン。その正体は、美しい容姿と天性の人懐っこさを駆使して、老若男女を問わず他人の懐にするりと入り込み、おいしいご飯にありつくヒモ男の夏生(なつお)でした。実家を追い出され突然一人暮らしを始めることになった果穂は、初対面の夏生をそのまま自宅に招いてカレーを振る舞うことに…!?
食卓を共に囲みながら、出会う人々の悩みや人生に触れていく夏生ですが、そんな彼も心の闇を抱えていて――。心の仄暗いところと色鮮やかな食事で彩るヒューマンドラマ『ヒモメシ』を10回連載でお送りします。今回は第3回です。
※本記事は塩野ネリコ著の書籍『ヒモメシ』から一部抜粋・編集しました。
