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  • 『天国での暮らしはどうですか』中山有香里さんインタビュー (C)中山有香里/KADOKAWA


    看護師として人に寄り添いながら、イラストレーターとしても心に残る物語を描き続けている中山有香里さん。8月5日に発売された新作『天国での暮らしはどうですか』は、大切な存在を見送ったときにふと湧いてくる「いま、あの子はどこでどうしているんだろう?」という思いに、あたたかく答えてくれるような作品です。


    SNSに投稿されるたびに大反響を呼び、読む人の心をやわらかく包み込んでくれる大人気シリーズが、ついに一冊の本になりました。今回は、中山さんが“天国”というテーマに込めた思いと、その背景についてお話を伺いました。


    …いやぁまさかここでこの3人とは… (C)中山有香里/KADOKAWA


    生まれ変わりのことを知っていたのですか? (C)中山有香里/KADOKAWA


    作者もまた「見送った側」だからこそ…大切な人を思い出すことで生まれた物語


    ――「天国」というテーマを描こうと思ったきっかけを教えてください。


    中山有香里さん:私が最初に「死」と向き合ったのは、15年一緒に過ごした愛犬を亡くしたときでした。亡くなったのは平日の朝で、母が泣き叫ぶ姿を少し遠くから見ていたことだけを覚えています。気づけば私は、いつも通り学校で授業を受けていて…。両親が火葬に立ち会ったので、私の中では「なんだかよくわからないけれど、もう愛犬はいない」という事実だけが残りました。涙が出なかったのは、実感できていなかったからだと思います。


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