他人の家に約束もなくやってきて無断で上がり込んだり、冷蔵庫を勝手に開けたり。あるいは他の子にしつこく絡んだり、モノを欲しがって人にせびったり…。そんな子どもの問題行動を迷惑に思う人の声もあれば、一方でネグレクトや虐待など子どもの家庭環境を心配する声もあります。
こうした子どもたちは「放置子」と呼ばれていますが、この社会問題を描いて読者の共感を呼んでいるのが、コミック作品『放置子の面倒を見るのは誰ですか?』です。作者は現役の心理カウンセラーと漫画家の二足のわらじで活躍する白目みさえさん。ご自身もふたりの子どもを育てる中で悩んだ経験から生まれた作品だそうです。
この作品のあらすじを紹介し、白目さんにお話をうかがっていきます。
『放置子の面倒を見るのは誰ですか?』あらすじ
岡村しずかはふたりの娘を持つ母親。長女・莉華の入学説明会の時に、同級生の「りっちゃん」こと金井りつの行動が気にかかりました。保護者の同伴なしで一人で来ていること、母親がいなくて父と祖母と暮らしていることを知ります。
入学後のある日、遅刻したりっちゃんを見かけ心配したしずかが車で送っていったところ、次も車に乗せてもらおうと期待する発言もありました。しずかはちゃんと線引きしなければと思い、「もうしない」とはっきり告げます。