現役の心理カウンセラーとしての知見と、ふたりの娘の母親としての実体験を併せ持つ漫画家・白目みさえさん。最新作『放置子の面倒を見るのは誰ですか?』では、娘の同級生との関わりに悩む母親の視点を通じて、子どもを取り巻く現代の社会問題を描き出しました。
約束していないのに家に遊びに来て上がり込もうとしたり、物をせびったり嫌がらせをしたりする「りっちゃん」。いわゆる「放置子」と思われるりっちゃんと関わることになった同級生の母親・しずかが抱えるのは、「手を差し伸べるべきなのか」という思いと、「自分の子どもを守りたい」という切実な気持ちです。葛藤するしずかの姿は、多くの読者の共感を呼びました。
白目さんは、これらのキャラクターをどう生み出し、どんな思いを込めたのでしょうか。本作に込められたメッセージを伺いました。
『放置子の面倒を見るのは誰ですか?』あらすじ
長女・莉華の小学校入学を迎えた母親・しずかは、入学説明会で「りっちゃん」という女の子に出会います。保護者の同伴なくひとりで来ている様子を見て、しずかは制服の採寸などを手伝ってあげますが、心は少しざわつきます。