
「いつもあいつのせいで幸せになれない――」
障害のある兄弟姉妹を持つ子ども“きょうだい児”が抱える孤独や葛藤を描いたコミックエッセイ『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』。“きょうだい児”の当事者への取材をもとに構成されたセミフィクション作品で、今、大きな反響を呼んでいます。
著者のうみこさんは、社会福祉士の資格を持ち、福祉の現場で障害者やその家族に関わってきた経験をお持ちです。今回は、そんなうみこさんに、作品誕生のきっかけと、取材を通して見えてきた“きょうだい児”たちのリアルな声について伺いました。
『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』あらすじ



「あなた達の結婚には反対です。透子さんあなた――隠していることがあるわよね?」
27歳の誕生日に大学時代から交際してきた恋人・洸平からプロポーズされた透子。けれど彼女には、ずっと言えずにいた秘密がありました。それは――妹の桃乃に障害があるということ。
勇気を出して打ち明けたとき、洸平は受け入れてくれたように見えました。「これでやっと、私にも“普通の幸せ”が手に入るんだ」と胸をなでおろす透子でしたが…。