
「妹なんか生まれてこなければよかったのに」
障害のある兄弟姉妹を持つ“きょうだい児”。その立場にいる人たちは、誰にも打ち明けられない複雑な思いを胸の奥に抱えて生きている――。
いま注目を集めているコミックエッセイ『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』。衝撃的なタイトルが目を引きますが、著者・うみこさんは、“声にならない声”を可視化したいという思いから、あえてショッキングなタイトルを選んだのだそうです。
タイトルに込めた真意、読者から届いた反響、そして見えてきた“きょうだい児”を取り巻く現実とは? 著者のうみこさんにお話を伺いました。
『妹なんか生まれてこなければよかったのに きょうだい児が自分を取り戻す物語』あらすじ



妹・桃乃が「普通じゃない」と気づいたのは、透子が幼稚園児のころ。言葉が通じず、すぐに手が出る妹に手を焼く毎日でした。
ある日、友達が妹と楽しそうにおしゃべりしているのを見て、衝撃を受けます。「しゃべった……妹って話すんだ…」


小学生になってからの透子は、妹の存在により一層悩まされるように。友達と三人で遊ぶ約束をしていたのに「桃乃も連れていってあげて」と母に言われ、仕方なく一緒に出かけた日。桃乃を見た友達は、「今日は二人で遊ぶね」と、そっと離れていってしまいました。